システムは企業の「業務への要求」から始まり、「企画」「開発」というプロセスを経て完成し「保守・運用」となり、実際の稼働に入ります。エンジニアもその流れの中で活動する以上、システム開発の基礎知識は不可欠です。また、システムを開発する上で、仕様書をはじめとする文書の役割はとても重要です。例えば、依頼側と開発側との間には、機能や仕様などについての確認と合意が必要となります。また実際に開発側が、SEやプログラマーの共同作業で開発していくことになると、それぞれの解釈や認識の違いがあった場合には、正しくひとつのものを作り上げることが出来ません。もちろんシステムは日々安定して稼動して利用されることが必要です。そのために、システムの運用管理が欠かせません。同様に、システムの信頼性や安全性を評価する、システム監査もとても重要なことです。
■■■ 各5セクションの紹介 ■■■
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●セクション1「システム開発入門」
システムを開発するエンジニアや、エンジニアを目指す人たちのために必須となる、システム開発のおおまかな流れと基本的な事柄について学ぶことができます。具体的な内容としては、システムとはそもそも何なのか、という話から始まり、システム開発の全体的な流れ、その中で作成する文書の役割、成果物や文書のレビュー方法、開発の工程をどのように実行するかという開発モデルの種類、システムの提案の流れ、設計工程について、プログラム開発の工程について、成果物のテストの方法の種類について解説しています。
●セクション2「システム仕様書入門」
システムを開発するエンジニアや、エンジニアを目指す人たちのために必須となる、システム開発で必要になる様々な仕様書について学ぶことができます。具体的な内容としては、なぜ仕様書が必要なのか、という話から始まり、どのような点に気を付けて書くのか、レビューの方法にはどのようなものがあるのか、どのように管理するのか、そして、各工程の仕様書の役割について解説します。
●セクション3「システム運用管理入門」
システムを開発するエンジニアや、エンジニアを目指す人たちのために、システム運用管理の基礎、考え方、必要な手順などについて学びます。具体的な内容としては、システムの運用管理の役割や、障害が発生した際に迅速に対応し復旧する為の対応方法や手順、そして、障害の発生をできるだけ防止して、発生した場合でも被害を最小限にとどめる安全対策や、数々の脅威に対してどのようなセキュリティ対策が有効か、など。更に、常にシステムを快適に利用できるようにするために必要なパフォーマンス改善や、システムの更新や移行を速やかに行う重要性や、システム構成と障害履歴の重要性、他にも、サポートデスクの必要性と種類についても解説します。
●セクション4「ネットワーク構築入門」
ネットワークを開発するエンジニアや、ネットワーク開発エンジニアを目指す人たちのために、ネットワーク構築の基礎、考え方、必要な手順などについて学びます。具体的な内容としては、ネットワークの種類にはどのようなものがあるか、ネットワークにはどのような機器が使用されているか、どのような手順でネットワークを構築するのか、ネットワーク稼動後にどのような保守があるのかを解説します。
●セクション5「システム監査入門」
システムを開発するエンジニアや、エンジニアを目指す人たちのために、システム監査の基礎、考え方、必要な手順などについて学びます。具体的な流れとしては、システム監査の概要として、システム監査の基準、監査方法、基本用語を学んだ後、監査計画、監査実施、監査報告、改善指導(フォローアップ)について学びます。
■シナリオ/監修
小島 邦男(こじま くにお)
テクニカルライター。1955年新潟市生まれ。日本大学文理学部心理学科卒業。編集プロダクションでPR誌や雑誌・単行本の編集に従事した後、1984年にフリーとなる。以来、パソコン関連のマニュアルや初心者向けの技術解説記事、単行本などを執筆。